クリスマスが近づき、アドヴェントカレンダーやシュトレンを楽しむこの時期。もう一つ忘れてはならないのが、新年を祝うお菓子、ガレット・デ・ロワの準備です。
各店、そろそろ2022年のガレット・デ・ロワの予約受付が始まる頃ですので、2021年に実際に私が食べた全国各地のパティスリーやブーランジェのガレット・デ・ロワ、全16種類を振り返ってみることにしました。
販売情報についても、わかるものから随時、追記していきます。
ガレット・デ・ロワって何?

ガレット・デ・ロワは、アーモンドクリームが入ったパイ菓子で、ベツレヘムを訪れた東方の三賢人が、神の子であるイエス・キリストを拝みにやってきたエピファニー(公現祭)の日、1月6日に食べる、フランスでは新年のお祝いに欠かせない伝統菓子。
パイの中にはフェーブと呼ばれる陶器の人形等が1つだけ入っていて、切り分けて食べる際、中からフェーブが出てきた人は、王様(女王様)となってその日一日みんなから祝福されます。王冠が添えられているのはそのため。表面に刻むレイエと呼ばれる美しい模様も見どころのひとつです。

シンプルだからこそ各店の違いがわかりやすく、いくつか食べ比べてみるのも楽しいもの。2022年のガレット・デ・ロワ選びの参考までに一挙まとめてご紹介します。
2021年に食べたガレット・デ・ロワ16種類
アンフィニ(東京・九品仏)

きめ細やかなパイの層がふんわりと立ち上がっています。ガッツリと焼かれたパイは力強い香ばしさを放ち、しっとりとした甘さ控えめのアーモンドクリームからほんのりとラムの香りが漂います。
クリオロ(東京・小竹向原)

キツネ色に焼かれたパイはとても軽やか。やや塩味を感じます。みっちりと詰められたアーモンドクリームはしっかりとラムが効いており華やかな風味。甘い香りとパイの塩味のコントラストが楽しめます。たっぷりのミルクティーと一緒にどうぞ。
パリジーノアンドアトリエドゥママン(大阪・十三)

2020年のガレット・デ・ロワコンテスト(クラブ・ドゥ・ラ・ガレット・デ・ロワ主催)にて見事優勝した大阪・十三の名店。ハラハラと繊細な層の間から漂うバターの香りがたまりません。ホロリ、ホクホクとしたアーモンドクリームの個性的な食感が、軽やかな口どけのパイととても合う。公式のInstagramで美しいレイエをぜひご覧ください。
パティスリー メゾンドゥース(東京・南大沢)

こちらも第10回ガレット・デ・ロワ・コンテストで優勝経験を持つガレット・デ・ロワの実力派。塩気の効いたさっくりとしたパイにみっちりたっぷりのアーモンドクリーム。パイ生地にしっかりと塩味があるからこそ、このたっぷりのクリームが活きてくる。バターリッチで贅沢な味わいです。
【2022年の販売情報】 販売価格:2700円、4212円、7560円 大きさ:15cm、21cm、27cm 販売期間:12/28(火)~1月下旬予定。 予約受付:11/28(日)よりオンラインショップまたは店頭で予約受付中。
アカシエ(埼玉・浦和) ※プレーン

焼き色も美しくふっくら焼きあがったパイとアーモンドクリームとの一体感が素晴らしい!サクサクとしたパイ生地がクリームとよく馴染み、バターの香りとアーモンドの甘みがふわっと流れ込んできます。アカシエのオリジナルフェーブもコロンと可愛いですね。
アカシエ(埼玉・浦和) ※スペシャルピスターシュ

この深緑の断面!見るからに濃厚なピスタチオの予感がしますよね。気になるお味ですが、ピスタチオの香りを活かすためか甘さは控えめ。アーモンドとは異なる独特の風味がいっぱいに広がります。どこか和の風味も感じるほっくりとしたクリームでした。
【2022年の販売情報】※ガレット・オ・ザマンド 販売価格:2700円、3780円、5184円 大きさ:15cm、18cm、21cm 販売期間:2021/12/30~2022/1/11 ※お届け可能日 予約受付:12/11(土)よりオンラインショップまたは店頭で予約受付中。 備考:スペシャルの2種については在庫状況含め同店にてご確認下さい
セイイチロウニシゾノ(大阪・肥後橋)※マロンカルヴァドス

なんとこちらはアーモンドクリームとマロンカルバドスの二層タイプ。栗のほくほくした食感とカルバドスならではの甘酸っぱいりんごの香りは、グラマラスでちょっぴり大人の味わい。軽やかなパイが二層のクリームの存在感を引き立てます。
ポルトボヌール(埼玉・北浦和)

ぷっくりとしたフォルムが何ともかわいい、ふっくら丸みを帯びたガレット・デ・ロワ。パイの層はややみっしりとしています。アーモンドクリームはやや中心なのでたっぷりクリームを食べたい方は大きめにカットすると良いかも。全体的に軽やかな味わいです。
パティスリーエトネ(兵庫・芦屋)

触るとハラハラと崩れてしまいそうなほど繊細な層が幾重にも重なるパイ。バターの香りが上品かつ力強い生地の香りが印象的。逆にアーモンドクリームはあっさりめで、まさにパイを食べるガレット・デ・ロワ。パイ好きにおすすめの1台。カフェラテと合いそう。
ブールドネージュ(岩手・北上)

レイエのエッヂが立った美しくザクザクとしたパイ。酒不使用、ほっくりとしたアーモンドクリームには卵のようなやわらかい甘みがあります。日本式洋菓子店がまだまだ根強いここ岩手でフランスの伝統菓子を扱ってくれる貴重なお店。このパイを食べるとポワソンダブリルも気になります。
【2022年の販売情報】 販売価格:2200円 ※年内予約2000円 大きさ:約18cm 販売期間:1/3日(月)~1/10日(月) 予約受付:店頭にて予約受付中。※配送の予約は2021年12月18日(土)より開始。⋰
ラトリエ ドゥ マッサ(兵庫・神戸)

強い焼き色。中までしっかりと焼き上げられているのがみて取れます。焼きの関係でしょうか、アーモンドクリームはやや固めで水分量が少ないタイプ。クリームの風味に負けない力強い「焼き」のお菓子。
【2022年の販売情報】 販売価格:2484円、3240円 大きさ:直径約15cm×約4cm、直径約18cm×約4cm 販売期間:12/31〜1/24 ※お届け期間 予約受付:オンラインショップにて予約受付中。12/1〜1/20(限定数に達し次第受付終了)。
ポルトドゥ(岩手・盛岡)

盛岡の郊外、小さなお店ながらいつも行列のできるパン屋さんでもこの季節はガレット・デ・ロワが並びます。しっとりとしたアーモンドクリームから甘い香りが穏やかにひろがります。ぷくっとした表面にパン屋さんらしい温かみが。優しい食感と甘い香りに和みます。
レザネフォール(東京・恵比寿)※マロンオレンジ

ナイフ入れた途端バラリとほどけそうになるほどの繊細なパイの層。マロンオレンジという大胆な組み合わせのクリームには刻んだ栗がゴロゴロ入ってます。甘さの中に爽やかさを感じるガレット・デ・ロワ。意外な組み合わせに脱帽です。
メゾンベニコ(茨城・水戸)※ストロベリーココナッツ

ス、ストロベリーココナツ?!と食べるまでまったく味の想像ができなくてドキドキしながら頂きました。ハラハラと繊細なパイの中から出てきたのはフルーティーなアーモンドクリーム。いちごの甘酸っぱさとココナッツのシャリっとした食感が楽しくて…あの…めちゃくちゃ美味しいです!!
モンプリュ(兵庫・神戸)

威風堂々、端から中心までビシッと高さが揃う気品ある佇まいが美しい。パイは多層でこんがりと香ばしく焼き上げられています。パイ自体にも甘みがあり、しっとりとしたアーモンドクリームと相まって落ち着いた甘みに包まれています。まさに王道のガレット・デ・ロワ。
スイーツエスカリエ(新潟・大形)

ラストはホールで購入したエスカリエ。自家製のビーントゥバーチョコレート、チュノ70%を使用したハイカカオを感じる個性的なガレット・デ・ロワ。フルーティな酸味を持つチュノが練り込まれたアーモンドクリームはもちろん、パイからも強いカカオの香りが漂います。カカオマニア歓喜のガレット・デ・ロワ。
【2022年の販売情報】 販売価格:3000円 販売期間:発送は1/4のみ 予約受付:オンラインショップにて、12月11日~12月27日まで予約受付中。
まとめ

駆け足でざっとご紹介いたしました。言葉では伝わりにくいパイの食感など、写真で伝わるでしょうか。焼き色、層の厚さ、パイの立ち上がりやアーモンドクリームの質感。こうして並べてみると個性が見えてくるのではないでしょうか。
また、伝統的なアーモンドクリームだけではなく、マロンやイチゴ、チョコレートなどオリジナリティあふれるガレット・デ・ロワが数種類並ぶお店では、どれを選ぶか楽しい悩みも生まれそう。

お店によってはホールではなく、1人用にカットしたガレット・デ・ロワを販売していますので、ひとり暮らしで食べきれない!という方も、ぜひ店頭を覗いてみてはいかがでしょうか。
クリスマスが終われば新年はすぐそこ。人気のお店はあっという間に予約受付が終了してしまいますので、気になるお店はこまめにチェックしましょう。
おっと、こう見えてもカロリーがありますので食べ過ぎにはご注意下さい。