最近のお気に入りは紫波町の日詰商店街。
地方都市によくみる古い商店街なのですが、少しずつ新しい感性のお店が生まれています。つい先日、地元の老舗飲食店の一角を借りて、新たにオープンするお店の情報を聞きつけ、行ってきました。
朝のおかゆやさん

日詰商店街にある、昔ながらのお食事処「藤屋食堂」。ラーメンから定食まで何でもこなす地元の方に愛されているこちらで、「朝のおかゆやさん」の看板がでるのは火曜日と木曜日。
扉を開けるとお店が見えず、先客がお一人。はて、どうしたものかと思っていたら、先のお客さんが「お客さん来ましたよ~」と奥に声をかけて下さいました。なんだかこういう地方の空気っていいですね。
すぐに出てきたお店の方に1人と告げるとお好きな席へどうぞ、との案内。席に座ると「当店メニューはひとつですが宜しいですか」とのこと。もちろんお目当てはそれなので、注文してやってくるのを待ちます。
昭和な空間に流れるチルな音楽。ややあって、ほかほかと湯気の立つ器が運ばれました。トマトの良い香りの理由はこちら。
紫波町産トマトのポタージュ粥

朝のおかゆやさんのたった一つのメニューは、地元の旬の野菜を使ったポタージュ粥。月替わりで先月はアスパラでしたが、今月は夏らしくトマトに変わりました。
トッピングはラタテュイユ。くるりと回しかけたオリーブオイルに、粉チーズとブラックペッパーのアクセント。何とも言えないいい香りが漂います。
ぽってりとしたポタージュとくずれたお米が口の中でほろりとほどける。リゾットとも中華粥とも違う、ふわふわと温かな食べ物。
太陽をたっぷり吸いこんだトマトの甘みと酸味を詰め込んだポタージュとラタトゥイユはまさに夏の恵みの味。ひと匙ごとにお腹も心もほかほかと満たされます。ああ、おいしい。

営業時間は朝7:30~10:00まで。朝起きるのが億劫になる日にこそ、こんな温かみのある食事がしたいもの。
朝のおかゆやさんで一日を始める、そんな日を作りたくなりました。