盛岡市天昌寺町。大通りから一歩入った住宅地に、ぱっと目を引くさわやかなエメラルドグリーンの扉。自家製スイーツがおいしい小さな喫茶店があります。
れんげ喫茶店

テーブル席3つの他、L字型のカウンターもあり、一人でもゆっくり落ち着ける空間。清涼感のあるトーンが素敵です。
魅力的な期間限定スイーツ
自家製だらけの喫茶店、と銘打ったこちら。
地元の食材を使ったカレーやビザトーストなど食事メニューもおいしいのですが、なにより魅力的なのが自家製スイーツ。特に定期的に入れ替わる、期間限定スイーツは来る人を飽きさせません。
タルト・タタン

初訪問のきっかけはこちらでした。見てください、この艶やかな飴色。タルト・タタンと言ったらこうでなくちゃ。中心までじっくりと火入れされたりんごは琥珀のよう。神々しい…。
ぎゅん、と凝縮されたりんごの甘酸っぱさ。香ばしく焼き上げられたパイは繊細な層が幾重にも。ふわり優しいクリームもたまりません。やはりタタンは焼き込みが命。
イギリスのアップルパイ

「タルト・タタンの次は素朴なイギリス風のアップルパイにする予定です」の一言で再訪したのは言うまでもなく。
イギリスの伝統的なアップルパイは、ザクザクとした食感のショートクラスト・ペイストリーが特徴。
果肉がほんのり赤い「紅の夢」をたっぷりと挟んであり、どこか懐かしい家庭のおやつを思いだして、ほっとする。
カスタードソースをかけるのはシェイクスピア時代からのお約束だそう。こういうお菓子の定番をきっちり抑えているところに、古くから伝わるレシピへの敬意を感じて嬉しくなります。
たっ…炭治郎!…な、サン・セバスチャン

そろそろチョコケーキを出したいんですよね、とお話されていた店主さんが「決めた!あれを作ろう!」とツイートしていたのを見て、なにが来るのか楽しみにしたら…。
出てきた瞬間、思わず「あの…予想以上に炭治郎ですね…」と言ってしまった、サン・セバスチャン。
スペインのバスク地方、サン・セバスチャンの石畳をイメージして作られたダミエ柄のケーキを、いま話題の「鬼滅の刃」の主人公、竈門炭治郎の羽織をイメージして天然色素で仕上げた一皿。
日輪刀をイメージした縞々のチョコと、禰豆子をイメージしたピンクのアラザンという細かいこだわりも光ります。
ぽわんと弾力のあるスポンジを包む甘いチョコレートと、ベリーソースの酸味がぴったり。鬼と縁の深い岩手らしいケーキかも。
日替わりのマフィン

毎日焼かれるマフィンの内容は日替わり。前日の夜か、当日の開店時間の頃、お知らせツイートが出ます。こちらは店内・テイクアウト両方OK。
この日は胡桃とクリームチーズでしたが、胡桃もチーズもゴロゴロ贅沢に入ってて、さっくり、ふんわりしたマフィンのおいしいこと!
買いに行けない曜日に、気になるメニューを見かけると、画面の前であああ!と声をあげてしまうこの頃。
まとめ
たまごの味をしっかりと感じられる、みんな大好き固めのプリンや、しゅわしゅわ、と弾けるクリームソーダなど、「喫茶店」と聞いて誰もが思い浮かべる定番のメニューももちろん健在。

種類豊富な紅茶や旬の果物を使ったジュースなど、飲み物の種類が多く、その日の気分でいろいろ選べるのが嬉しい。
カウンターがあるので一人でもふらりと訪れやすく、程よい距離感の接客も居心地の良さの一つ。
お菓子と訪れる人への愛情を感じる小さな憩いの場。私の住まいからはちょっぴり離れているのですが、何度でも足しげく通いたくなるお気に入りの喫茶店です。