フランスが世界に誇る、南仏のリゾートホテル「オテル・デュ・キャップエデン=ロック」。
数々のセレブを魅了してきた地上の楽園で、ショコラティエを務めてきたリリアン・ボンヌフォア氏が自身のブティックを開いたのは2015年。
そんな彼の楽園の外にあるチョコレートを1枚味わってみたくなりました。
タブレット フレーズ ヨーグルト ブラン

ガナッシュを挟んだタブレットは8mmほどの厚み。ケースから出してまずはそのやわらかさにびっくり。ちょっと角度をつけて持つだけで溝からぽこっと割れます。
割れたところから甘い甘い苺の香り。明るくふわふわとした春を思わせます。ガナッシュを包むのは優しい色合いのミルクチョコレート。
やや、さらさらとしたテクスチャのガナッシュは二層。ホワイトチョコレートに苺ピューレとヨーグルトの発酵臭。ド直球の苺ヨーグルトです。

包み込むミルクチョコレートはこれまたしっかり、喉にきゅっとくるほどの甘み。久々に手加減のない甘さでちょっと笑ってしまいました。ハイカカオ志向の私には相当な甘さですが、小さなお子さんが好きそうな、練乳いちごやフルーチェのようにわかりやすく親しみやすい味。
エデン=ロックで作っていたものも比較的甘いものは甘い!という感じでしたが、リリアン・ボンヌフォアとして作るチョコレートの構成はそれよりずっとシンプルでカジュアルな印象。
おやつに手をべたべたにしながらちょっとずつ割って食べる嬉しい記憶。そんな童心に帰るチョコレートでした。
※この記事は2020年に執筆したレビューのリライトです。