ミルトス/シシューキリヤマ フェニックス

チョコレビュー

四国中央市切山地区。愛媛県と香川県の県境に近い山の中、2017年にオープンしたコーヒー豆焙煎所、チョコレート・スイーツ工房「GBCキリヤマベース」。良質なコーヒ豆を求めた先に出会ったカカオ豆から店主、高橋氏のチョコレート作りが始まりました。

チョコレートブランドの名前は「ミルトス(MILTOS)」。

2018年の「インターナショナルチョコレートアワード世界大会」にて、板チョコレート部門で銀賞、ミルクチョコレート部門で銅賞に輝いたミルトスのチョコレートを頂きます。

シシュ-✕キリヤマ フェニックス(SISYU×KIRIYAMA PHOENIX)

書家「紫舟」の情熱的な書にインスピレーションを受けて作られたチョコレート。同封されたリーフレットには、闇を切り裂く一条の朝陽を思わせる書が刻まれています。大河ドラマ「龍馬伝」の題字を書かれた方、と言えば思い出す方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その芸術家精神にオマージュを捧げる、として選ばれたのはペルー産のホワイトカカオ。

独特のモールド。厚みの違いによる違いを楽しめるデザインですね。美しく整えられた表面は光を放ち、澄んだ香りが鼻腔をくすぐります。

硬質な見た目に寄らず、割った感触は意外にもやわらかい。少し力を入れただけでぽくりと割れました。触れたところからすぐ溶けていくので急いで頂きます。

ペルー産ホワイトカカオ。まず鮮やかに感じるのはきりっと引き締まったシトラス。次いで巨峰のような甘味と渋み、密漬けの白桃、初々しい青りんご。ピーナツの殻を割った時のような香ばしさもあります。ジューシーで力強いカカオ感。

まろやかで、粘りなく、するりと流れるように溶けていく。口どけの素晴らしさが圧巻ですね。綺麗に溶けるチョコレートは香りを豊かに広げ、一気にその世界に人を連れていってくれる。

ペルー産ホワイトカカオの、鮮やかな酸と艶やかな甘みが踊るように駆け抜ける、凛々しく艶やかな素晴らしいチョコレートでした。