ベルギーのチョコ旅では古都ゲント(Gent)にもお邪魔しました。お目当てはこちら、2007年にワールドチョコレートマスターズのベルギーチャンピオン、フランドル伯の城の先、ゲントの旧市街から少し歩いた先に店舗を構える「マレーン・クーチャンス(Marijn Coertjens)」。2018年の「サロン・デュ・ショコラ東京」で初登場以来、バレンタインシーズンに日本でも見かけるようになりました。

うっ、雨の日で傘持ちつつ撮ったので写真がブレててごめんなさい。パープルを基調とした窓のフレー。外観から察するに随分と年季の入った建物を改装したのでしょうか。古い街並みと馴染んでいて素敵。

店内の様子はこんな感じでゆったりとした空間設計。ショコラトリー兼パティスリーらしく、チョコレートだけではなくコンフィチュールやガトーも並びます。コンフィチュールが並んでいる台がカカオポッドの形で思わず笑顔になりました。

弧を描くショーケースには、プチガトーの他、カラフルなマカロンもずらりと勢ぞろい。店内も広く奥の棚にはパンやヴィエノワズリ―も置かれています。

ケーキやマカロンの並びをぐるりと裏手に回ると焼き菓子とタブレットチョコレートのコーナー。クーチャンス氏の写真も飾ってありまるで美術館のようですね。サロン・デュ・ショコラではボンボンショコラ(プラリーヌ)だけでしたがタブレットもあったので近づいたその時。

奥の工房から、マレーン・クーチャンス氏ご本人が登場!目が合ったので挨拶すると、なんと自ら一つ一つタブレットを説明してくださいました。思いがけぬ幸運にドギマギしてしまう。
日本のサロン・デュ・ショコラでチョコレートを見かけ、ゲントに来たのだとカタコトの英語で告げると、「どうもありがとう!」と日本語を交えて応対してくれました。そういえばクーチャンスさん、日本で修業された時期があり日本語を話せるんでした。
ムック本の記事に、ベルギーに戻ってからも日本語の勉強をしていたけど、忙しさで断念してしまったとありましたが、いえいえ、私の英語よりよほど流暢です。
記念にお写真も撮らせて頂いたのですが、あ、じゃぁ…と撮影前にかけてた眼鏡を外すクーチャンスさん。眼鏡も素敵なのに、あれやっぱ世界共通なのでしょうか。こうしてみると、ちょっとベビーフェイスでくまのプーさん味があります。優しい笑顔ですね。

カウンター式のカフェも併設されているので、店内でケーキを頂くことにしました。ムックで写真を見た時からここでお茶をしたいと願っていましたが、写真で見るよりも素晴らしいノーブルな紫の空間。

いずれもおいしそうなケーキに迷いましたが、ショコラティエのガトーならここはチョコ系を頂くべきでしょう、と注文したのはオペラとカフェオレ。ベルギーのカフェではドリンクに小菓子がつくのが一般的でクッキーがふたつ添えられてきました。

初めてみる断面を上にしたスタイル。ショコラ生地、モカクリーム、そして金箔とスタンダードな構成ですが、グラサージュではなくナッツを散らしたチョコレートで周囲をコーティングしてあります。
生地にたっぷりとしみ込ませたコーヒーは、フォークで切るとジュワッと染み出るほど。ほろ苦いコーヒーと甘いショコラがよく合っています。何よりコーティングされたチョコレートの香りがとてもよく、まさにこれぞショコラティエのオペラ。
しかもクーチャンス氏自らサーブして頂き感動もひとしお。終始、気さくな笑顔と日本語で話しかけて下さってすごく嬉しかったです。ゲントまで行って良かった…。

見事なプラリーヌのショーケースにはかなりぐらぐら来ましたが、持ち帰りの日数を考慮してタブレットと焼き菓子のみ購入しました。ずらりと並んだ中から選ぶ幸せはまたいつか体験したいです。なお、買った焼き菓子がおいしくてもっと買えばよかったと未だに後悔しています。

タブレット2枚と焼き菓子一つに渡されたのはムックでも紹介されていたこのバック。お客さんが使いまわせばお店の宣伝になるからと、ナイロン製のしっかりしたショッパーを出すという話でしたが、こんなに大きくしっかりしたバッグだとは。旅の後半、予想以上に荷物が増えた私にはとてもありがたかったです。
雨模様で訪問時間が早かったこともあり他のお客さんも少なく、写真撮影も快くOK頂いたので写真多めでご紹介しました。ゲントに行く際には必ず寄りたいショコラトリーです。
公式サイト:Marijn Coertjens
※この記事は2018年に執筆したもののリライトとなります。