カカオサンパカ/王のカカオ “ショコヌスコ ”70%

チョコレビュー

かつて中南米で貨幣の代わりに使われていたカカオをヨーロッパに持ち込んだのはスペインでした。

「カカオサンパカ」は、スペイン最大のカカオ豆の輸入・チョコレート原材料の製造会社「Nederland(ネダーランド)」グループの子会社として、1999年バルセロナに誕生したショコラトリー。

高品質なチョコレートを製造する、スペインを代表するブランドです。

王のカカオ “ショコヌスコ ”70%

高級かな触れるゴールドのパッケージ。中から現れたのは「CACAO SAMPAKA」とただ文字が刻まれたシンプルなモールド。

5mmと薄いタブレットゆえ、急冷するための溝が不要、ということでしょうか。表面は艶やかで、比較的明るい褐色をしています。

パキっと軽やかなクラック音。いやもうなんたって香りがすごい!粒子が整った断面からは豊潤な香りがあふれ、食べる前からうっとりと夢見心地になりました。

王のカカオと呼ばれた希少なメキシコ・チアパス産のクリオロ種を使用したダーク板チョコレート、とありましたが、これほどまでに香るチョコレートも滅多にないのでは。

しなやかにするする溶けていく中に微かなざらつき。あえて粒を残してあるのか、ところどころカカオニブを感じます。溶かして、噛んで。その度に香りが複雑に変化する。

しかし、なんでしょう。このカカオ。とても捉えどころがないのです。これ!という際立った個性らしきものの姿が見えぬのに、確かに感じるカカオの存在。

アプリコット、スペキュロスクッキー、オレンジ、焼いたバナナ、そしてラム。甘いフルーツの香りとエキゾチックなスパイスが混ざり合い、神秘的にゆらめいては消えていく。

畏怖と尊敬、触れることの叶わぬ聖なるもの。

スペイン王室に”レアル”の称号を与えられ、300年にわたって門外不出にされていた王家のカカオ。その名にふさわしい風格を持つ素晴らしいチョコレートにただ、感動を覚えました。素晴らしい体験です。