ミニマル/CLASSIC

チョコレビュー

国内で最初にICAゴールドタブレットを受賞した「ミニマル(Minimal -Bean to Bar Chocolate)」

シングルオリジンによるカカオの個性と面白さを伝えてきたミニマルですが、近年、より広く「一般の方に伝わりやすい」ラインが登場しました。

CLASSIC

内容量/50g

スタイリッシュな密封式のパッケージ。ミニマルのパッケージにおける最大の特徴は、ケースに差し込まれた詳細なプロダクトノート。

フレーバーの方向性、カカオ産地(今回はブレンドであることを記載)、粒子のサイズなど、このチョコレートがどのように作られているか、明瞭に書かれています。

さて、ミニマルと言えばこのモールドですね。幾何学模様のモールドは、割った形や大きさで、溶ける温度や口あたりの変化を楽しむミニマルからの提案。

このプロダクトノートも進化しており、より視覚的にわかりやすいスタイルに。誰かと食べる時はちょっとした話のきっかけにもなりそうですね。

プロダクト情報をオープンにするのはチョコレート作りそのものに自信があるからできること。ミニマルがオープンした当初、チョコ好き界隈がざわついたのを思い出します。

実はこの中にもさらに仕掛けが!二つ折りの中にはマリアージュの提案。これは良いですね。チョコレートを楽しむ仕掛けが随所に効いています。が、やはり重要なのは味。

砂糖の粒を感じる程に粒子感を残したテクスチャは、コンチングを行うことで、いつもよりやや細かいサラサラとした印象。

キャラメルのようなコクのある甘みがまず緩やかに広がり、次いでバニラ、アプリコットのような甘みがまろやかに広がります。最後に残る香りがとてもミルキー。

「CLASSIC」という名の通り、昔から親しまれているミルクチョコレートのような風味を目指したそうで、親しみを覚える優しい印象に仕上がっています。

カカオ分45~50%のミルクチョコレートのように感じますが、ミルクは不使用。焙煎違いの豆をブレンドすることで甘みと風味がバランスよく組み合わさり、上品な甘みとやわらかな香りが生まれています。

カカオの魅力にどっぷり漬かった人ではなく、多くの人が、いつもよりちょっと贅沢感を味わえる、そんな嫌味のないチョコレート。

その一方、カカオ本来の豊かなフレーバーもちらりと顔をのぞかせ、チョコレートが嗜好品であることの主張もちゃんと表現されている。

「誰もがおいしい」と感じられるチョコを作るのはとても大事。

ビーントゥバー系のチョコレートの中には、ややエキセントリックなものも散見されますが、味わう人にとって「おいしい」は大前提。

プロダクトに芯の通った、チョコレート文化のすそ野を広げる可能性を秘めたチョコレートです。

※2018年9月のレビューのリライトです