ベルギーのリエージュに本店を構える、ブノワ・ニアン。カカオ産地を巡り、常にカカオ本来の個性をチョコレートとして表現する、ビーントゥバースタイルのショコラトリーです。
ビーントゥバーのショコラトリーは、主にタブレットが中心ですが、こちらはボンボンショコラとタブレット、どちらにも力を入れており、今回はその違いも楽しめるアソートが発表されました。
ドメーヌC

内容量/5個×5枚
産地の異なるカカオを使用した、ボンボンショコラとカレ(一口サイズの板チョコ)のセットです。さっそく食べ比べてみましょう。
ラジェド・ド・オウロ(ブラジル産:カタンゴ種)

ボンボン:甘やかでミルキー。熟れたバナナのようなバニラ感。酸味は控えめでナッティ。生クリームのコクとパイナップル。フルーツ牛乳のような甘みを堪能。
カレ:キャラメル、カシス、マンダリンオレンジ、ドライベリーなど。凝縮された旨みと酸味が、複雑な音色を奏でるよう。一つ一つの香りの主張がはっきりしています。
ハシェンダ・ヴィクトリア(エクアドル産:ナショナルアリバ種)

ボンボン:ウッディで落ち着いたトーン。クリーミィなショコラに、シナモンが香る。スパイスと蜜入りりんご、バターの風味がフルーツタルトを思わせます。
カレ:ダークブラウンの色あい。口どけがまろやかでフローラル。れんげ蜂蜜の甘みを注いだ紅茶のよう。余韻が長く、穏やかな春の宵を思わせます。
マヤン レッド(ホンジュラス:トリニタリオ種)

ボンボン:フレッシュでフルーティ。目の覚めるようなベリー感で、真紅の薔薇を思い浮かべます。瑞々しい苺のようなキッチュな甘酸っぱさも。
カレ:プルーンのような独特の旨みと、チェリーのような初々しい甘酸っぱさ。明るい酸味を持つ浅煎りのコーヒーと、微かな渋みが後味を引き締めます。
リオ ドゥルセ(グアテマラ:トリニタリオ種)

ボンボン:ナッティで胡桃のようなコク。アーモンドキャラメル。フランベしたバナナ。まろやかな甘やかしチョコ。
カレ:アプリコットや黄桃のような黄色っぽい果実味。カラメルプリンというか、べっこう飴に近い香ばしさ。
アンボリカピキィ(マダガスカル産)

ボンボン:甘酸っぱいラズベリーにライチ、ほんのりとスモーキィ。とろけるチョコに、サクっとニブの香ばしさ。フルーティーで艶やか。
カレ:グロゼイユ(レッドカラント)、ベリー。ぶどうの皮のような渋みも。ピーマンや干草の青さ、クコの実。しっとりとした夜の帳。
まとめ
以上、5種類、それぞれ食べてみましたが、同じ産地のカカオでも、ボンボンとカレでは受ける印象というか表に出てくる表情が異なりますね。
ボンボンは生クリームが入るので、全体的にまろやか。ナッツやバターなど油脂感のあるリッチな味わいに、産地ごとの果実味がのってくる。とろけるショコラにうっとりします。
一方、カレの方はより鋭くカカオの特徴が現れ、ベリー、アプリコット、レーズンなど果実のような酸をはっきり感じ、こちらは繊細なフレーバーの織りなす世界を旅するよう。
カカオフェヴィエ(カカオ職人)を名乗る、ブノワ・ニアンらしい、とても楽しいアソートでした。