2020年、サロン・デュ・ショコラ東京に初登場した「トゥルビヨン バイ ヤン・ブリス」。フランスのショコラトリーです。
トゥルビヨン=渦巻き。ヤン・ブリス氏が、ぐるぐると渦を巻く製菓技法をよく用いることから、ブランドの名前にもなっています。
コロナ禍で向き合う時間ができたからこそ生まれたという、二層タイプのリキュール・ボンボンを購入してみました。
ショコラ アソート リキュール

内容量/4個
美しい!ボンボンを保護する薄いプラスチックのふたを開けてもこの艶。もう一つ透明なフィルムが重ねてあるのかと思ったら、ショコラそのものが輝いていました。
白を基調としたバロタンは、カカオや草花が描かれていおり、シンプルながら洗練されたデザイン。センターには「トゥルビヨン」の渦巻き模様。真っ白な箱に艶やかなショコラがとても映えます。
では、左上から一つずつレビューしていきますね。
ラム酒・ライム(グリーン)
朝露をまとった森の夜明け。溶けだすラムの風味が瑞々しいライムのガナッシュを艶やかに印象付けます。凛とした佇まいに、ふわりと甘いラムの魔法がかかっています。
ラム酒・バナナ(イエロー)
青いバナナのような若々しさは、キャラメルのほろ苦さゆえでしょうか。ラムは微かに感じますが、ガツンと甘いのかと思いきや、洗練されたすっきりとした味わい。
ニワトコ酒・アプリコット・アーモンド(オレンジ)
可憐なエルダーフラワーに、朗らかなアプリコットジュレ。太陽のような明るさです。サクサクときめ細やかなプラリネの香ばしさがより一層、軽やかな光を添えます。
ウイスキー・スモーク風味のチョコレート(レッド)
驚きました。パプアニューギニア産カカオってこんなに上品なベリー感ありましたっけ?!微かにスモーキィですが、むしろさくらんぼのような可愛らしさ。大人びた美少女。

以上4種類、それぞれ丁寧な仕事が伺えるボンボンショコラですが、どれもテクスチャが素晴らしいですねぇ。
とろりと溶けだすリキュールが、ガナッシュやキャラメルにするりと移行する。ガナッシュやキャラメルの粘度と口どけが絶妙。よくあるチョコだけ口に残るようなことがまったくありません。
また、ヤン・ブリス氏自身、アルコールがそんなに得意ではないそうで、アルコール感を抑えつつ、香りを活かしたとありましたが、これが実に良い。
まるで、それとなくそっと香るパルファン。主張が控えめでありながら、ふと振り返りたくなるような余韻を残す、上品なリキュールの使い方。
誰かに贈りたくなる、そんな素敵な一箱でした。