ベルギー、リエージュに本店を構える「ブノワ・ニアン(Benoit Nihant)」。
タブレットだけではなく、ボンボンショコラのクオリティも高いので、先日ご紹介した今期の新作ボンボン、「ドメーヌJ」と一緒に、大箱も取り寄せました。
ドメーヌ14

内容量/14個
ブノワ・ニアンのブランドイメージである黒基調のボックスの中に、ずらりと14個のボンボンショコラが並びます。なんとも美しい。
色も形も様々なボンボンがどんな世界を見せてくれるのか、期待に胸を躍らせ、さっそく上段、左から順にレビューしていきます。

テ・シトロン(Thé & Citron)
フルーティーなマダガスカル産カカオとレモンティーの華やかな一粒。紅茶の香りが優雅ですね。爽やかなレモンの香りが艶やかに立ち上ります。
レッドコネクション(Red connection)
以前はセミリキッドだった日本限定ボンボンが、ガナッシュになって登場。ガナッシュになったことで、弾けるようなパッションフルーツの鮮やかさはそのままに、余韻が長くなりました。
シトロン ヴェール & バジリック(Citron Vert & Basilic)
なんとも刺激的!ライムの果汁と果皮、そしてフレッシュバジルを合わせたものですが、ライムの酸味とかすかな苦み、バジルが段階的に広がり、ブラックペッパーのようなスパイシーさ。ふわりと桜のかおりも。
マント(Menthe)
なめらかなガナッシュと共に、フレッシュミントが爽やかに香る。摘みたての葉をキュッと噛んだような新鮮な味わいは、朝摘みのものを使っているから。濃厚なカカオが涼やかに感じます。
キャラメル サレCaramel Salé
今年の新作。キャラメルの糖が結晶化したものか、ややザラリとしたテクスチャのガナッシュ。塩は微かに。キャラメルのほろ苦い甘みが、口の中に広がります。センターに粘度があるので、食べる温度によって変化しそうな予感。

バラコア(Baracoa)
キューバ産カカオ、バラコアのガナッシュ。以前はスモーキーに感じましたが、今年の印象は甘酸っぱいラズベリージュース。レモンやグレープフルーツなどキリッと酸が立ち、最後にクローブやアニスなどのスパイスがふわり。
ラジェド ド オウロ(Lajedo do Ouro)
ミルキーでエレガント。やわらかなガナッシュから芳醇な香りがあふれます。アプリコット、レーズン、カシューナッツ、シナモン、表情がくるくると変わりいつまでも余韻を楽しみたい一粒。
ピンク・コネクション(Pink Connection)
アソート内、唯一のプラリネ。ココナツのシャリシャリ感が楽しい!軽やかで明るい南国の太陽と夏の恋。今年はより一層甘やかに感じました。
バニユ(Vanille)
マダガスカル産バニラとマダガスカル産カカオ豆という最強のミルキーコンビ。うっとりするような甘さに心も身体も酔いしれます。

マッチャ シトロン & パンプルムース(Matcha, Citron & Pamplemousse)
抹茶と柑橘?!という異色の組み合わせにドキドキしながら頂けば、目の覚めるようなレモンやグレープフルーツの後に、やわらかく感じる新茶の若々しい甘みで包まれる。なにこの、和風ツンデレさんたら!
フレーズ&ポワーブル・デ・セシュアン(Fraise & Poivre de Sechuan)
甘い苺のゼリーの層と花椒がピリリと効いたガナッシュ。甘みと刺激のコントラストが斬新ですが、ギリギリのバランスで成立している。果物とスパイスの組合せの妙を楽しめます。
フルールド オランジェ &ミエル(Fleur d’Oranger& Miel)
オレンジの花を使っているので思ったよりオレンジ感は控えめ。栗蜂蜜のような個性的なフレーバーが中盤から現れます。ううーん、これは好みが分かれるかも。蜂蜜は種類によってふり幅が大きいですねぇ。
ロザセア(Rosaceae)
甘やかなチョコレートに清楚なバラ。が、前に食べた時よりちょっとバラが弱いかな?カカオの陰にバラがひっそりという感じ。花の香りが苦手という方は、このくらいの方が好みかもしれません。とてもミルキー。
フィグ&フランボワーズ(Figue & Framboise)
プチプチ弾けるいちじくと甘酸っぱいフランボワーズ。ブノワ・ニアンのボンボンの中でも人気の一粒。なんというか乙女度が詰まってるんですよね。背伸びする美少女のイメージです。

以上、14種類レビュー致しましたが、いかがでしょうか。
ブノワ・ニアンのボンボンショコラについては、新作数点をのぞいて、ここ3年ぐらいレビューを書いているので、もう語るべき言葉はあまりないのですが、頑張って書きました。
今年面白かったのは、リキッドからガナッシュに変えた「レッドコネクション」。
リキッドの時は、パッションフルーツがとろっと溶けだし、一瞬で広がる鮮やかさが素敵でしたが、ガナッシュに変わったことで、広がるまでの時間が長くなりたっぷりとパッションフルーツを感じるようになりました。
個人的には「バラコア」も印象深いですね。キューバ産カカオは煙草のような独特の香りが特徴的なのですが、このボンボンに関してはものすごくフルーティーに感じました。
その年に採れるカカオの状態、発酵、焙煎など、細かな変化によるものでしょうか。同じチョコレートを毎年買うのは、こういう変化を楽しむためでもあります。
新作の中では「マッチャ シトロン & パンプルムース」でしょうか。一見、えっ?!と思う組み合わせでしたが、酸味が先に来ることで抹茶のまろやかな甘みをしっかり感じるのでしょうね。
ブノワ・ニアン氏が日本の食材に注目しているのは、個人的にとても興味深いところ。日本限定のみならずベルギー国内でも通用する、面白いボンボンが生まれてくるのを楽しみにしています。