ピエール・マルコリーニ/リミテッド・エディション・オリエント キューバ

チョコレビュー

ベルギーに本店を構え、ビーントゥバースタイルでチョコレートを作り続ける、ピエール・マルコリーニ(Pierre Marcolini)

ベルギーで手に取った限定版のタブレットをご紹介します。

リミテッド・エディション・オリエント・キューバ(Limited Edition Orient Cuba

内容量80g

カカオ分78%、バラコア地方のトリニタリオ種を使用。ケース記載のフレーバーノートはドライフルーツ、そして余韻がとても長い、とあります。

モールドは9分割されたシンプルなスクエア。「MARCOLINI」とアルファベットが刻まれており、公式サイトではこのように記されていました。

ピエールマルコリーニのタブレット(板チョコレート)は正方形。 MARCOLINIが9文字なので「正方形のショコラを作るのは運命だった」と彼は言います。

やや厚みのあるタイプ。割った瞬間の香りが素晴らしい。キューバ、バラコア地方のカカオは、やや癖のあるスモーキーな香りが特徴ですが、しっかりとそれが出ています。

なにより驚いたのはフレーバーの力強さ。どっしりとしたボディ感のあるパワフルなチョコレート。マルコリーニは、どちらかと言えば、繊細なクリエイションのイメージだったので、その強さに目を見張りました。

レーズンのような甘みと皮の渋み、苦いと感じるギリギリのところで焙煎を押さえた深い味わいがグッとくる。しっとりと深い夜の帳を下した森を思わせます。

テクスチャも美しい。サラサラと溶け、すぅと消えていく。力強さとキレの良さ。まるで一瞬で去っていく風。マルコリーニのタブレットってこういう感じだったんだ!とかなり衝撃をうけました。

1994年にショコラティエとして独立後、あっという間にベルギーを代表するショコラトリーになったピエール・マルコリーニ。

「サロン・デュ・ショコラ オフィシャルムック2018」によれば、彼がBean to Bar に取り組み始めたのは15年前。洗練されたの内に熱い情熱を感じるパイオニアの貫禄に脱帽です。

※2018年7月のレビューのリライトです