パッション・ショコラ/ベネズエラ

チョコレビュー

ベルギーチョコレートの伝統を尊重しながらも、より良質なチョコレートを作るために情熱をささげる、パッション・ショコラ(Passion Chocolat)

チョコ旅で買い集めた、日本未発売のチョコレートとなります。

ベネズエラ(Venezuela)

内容量90g

窓開きのクラフト封筒のようなパッケージ。端っこはテープ止め、おまけに商品名はペンで手書き。気取りったところがなく、ベルギーの日常的なおやつ感いっぱい。

モールド(型)もシンプルなブロックスタイル。厚みは5mmほど。薄くもなく厚くもない、ごくごく一般的なタブレットです。

しかし、飾らぬ見た目に反して、その香りの素晴らしいこと。クリオロ種ならではのエレガントで芳醇な香りが、開封した途端に広がります。

まるみを帯びたまろやかなテクスチャ。かすかな渋みがすっと抜けると、ローストアーモンド、アニスやシナモンのようなスパイスの香りが漂い、最後にマンゴーのような甘みが訪れる。

特筆すべきは余韻の長さ。香りの広がりは溶けるほどに強くなり、ゆるやかに収束していきます。通り過ぎた美しい貴婦人の背を追うような、名残惜しさを感じるチョコレートですね。

複雑な香りが幾重にも重なり、艶やかに美しいハーモニーを奏でる。舞台の余韻をじっくりと堪能するようなひと時でした。

※2018年6月のレビューのリライトです