ル・フルーヴ/タブレット アマゾン

チョコレビュー

ショコラティエ上垣河大氏が、生まれ育った兵庫県北部の養父市に構える工房「ル・フルーヴ(le fleuve)」

循環型農業を基本とする有機栽培農園「麦畑自然農場」を営む父親を持ち、シェフ自身も自然豊かな山あいの工房で、素材と向き合いひとつひとつ丁寧なチョコレート作りをされています。

自然との対話から生み出されるル・フルーヴのチョコレート。今回はペルーのアマゾンカカオを使用したタブレットのご紹介です。

タブレット アマゾン

クラフト感のあるシンプルなボックスの中から現れたのはやや厚みのあるスクエア型のタブレット。表面にロゴが刻まれ、レーズンのような甘酸っぱい香りが鼻をくすぐります。

ひっくり返してみました。ゴツゴツと武骨な表面にカカオニブ。割るとやや硬質なクラック音。あそして個性的な断面。なにやらキラキラと光っています。

口どけは良いもののザラリとしたテクスチャにじっくり溶かすのではなく噛んでみます。ザクザクとした力強い食感と共にフルーティなカカオの香りがあふれだしました。じんわりと甘い。

ママレード、蜂蜜、焼き立てのトースト。甘く香ばしい豊かな味わいと、ザクザク、カリカリととした複雑な食感。噛む度に甘さがふっと加わる。そう、キラキラ光るものの正体はカラメル。ほろ苦く甘いカラメルがより立体的な味わいを見せます。

なめらかなチョコレートとザクザクとしたニブやキャラメル、齧る場所で様々なフレーバーが弾けては心を揺らす。なんというか気取らずポケットに欠片を忍ばせ、旅の途中にぽいと摘まみたい感じ。アマゾンカカオの神秘的な魅力がギュッと詰まった一枚でした。