今期、日本初上陸のショコラティエの中でも注目株といえば、フランス西部、ブルターニュ地方のレンヌのパティスリー「イヴァン・シュヴァリエ(YVAN CHEVALIER)」。
イヴァン・シュヴァリエ氏は、2019年に28歳でMOF(国家最優秀職人章)を取得。ワールドチョコレートマスターズのフランス代表メンバーであり、ナントの名店「ヴァンサン・ゲルレ」でシェフショコラティエを務めた実力の持ち主です。
2022年のバレンタインシーズンに日本国内初登場のイヴァン・シュヴァリエ。さて、どんなチョコレートでしょうか。
ショコラ アソート(高島屋限定)

取扱いがある百貨店で少しずつ内容が異なっていたので、今回はブルターニュ地方の食の魅力を詰め込んだとされる8粒が収められた、高島屋百貨店限定のアソートを選びました。上段左から順に感想を述べていきます。

サラザン(Sarrasin)
スペシャリテという蕎麦の実のプラリネ。キャラメリゼが強めでカリカリとした食感。噛むたびに蕎麦の実が明るく香ります。ブルターニュとくれば欠かせない一粒。
サリドゥ/キャラメルブールサレ(Salidou/Caramel beurre salé)
こちらもブルターニュらしい塩キャラメルのガナッシュ。ほんのり塩が効いたキャラメルの甘苦さと、やわらかなミルクチョコレートがなめらかに溶け合います。
フルールドセル ノワール(Fleur de sel noir)
ゲランドの塩が甘やかな余韻をキリッと引き締める。ヘーゼルナッツとチョコレートが美しく香る上品なプラリネ。
ブリティッシュ/テ アールグレイ(British/Thé Earl Grey)
矢車菊のあしらいが美しいですね。こんなの貰ったら嬉しくなっちゃう。アールグレイの香りはやや淡く、個人的にはもう少し強く香らせて欲しいかな。

ヴァニーユ(Vanille)
ノワールガナッシュの深い香り。いわゆるバニラ臭ではなく、しなやかな甘みをゆるやかに感じます。美しい余韻を楽しめる一粒。
ピエモン レ(Piémont lait)
ヘーゼルナッツをまるごと食べているようなこっくりとした油脂感。ナッティなプラリネをミルクチョコが一層甘やかに引き立てます。
マダガスカル(Madagascar 75%)
焙煎士ニコラ・ベルジェ氏のクーべルチュールを使用。オレンジ、はちみつ、レーズンなど果実味があふれる、マダガスカルらしい華やかなガナッシュ。
クロッカン レ(Croquant lait)
ミルキーなレのチョコとサクサクのクレープ生地が文句なしに好相性。クラッシュされたナッツの食感も楽しい。クレープもまたブルターニュの名物ですね。
まとめ

キャラメル、塩、蕎麦の実、クレープ。チョコレートをつまみながら、のどかなブルターニュの風景が浮かぶような素敵なボンボンショコラの詰め合わせがとても楽しかった!
豊かな食文化を小さな一粒に込めたイヴァン・シュヴァリエ氏の愛情あふれるアソート。いいですね、こういうの。気軽に旅に出られないからこそ、その土地の香りを感じられるお菓子はいつも以上に心をくすぐります。
全体としては上品で多くの人に愛されるショコラという印象。ガナッシュはなめらかで余韻が美しく、プラリネはカリカリとした食感が楽しい。それぞれの個性をしっかり表現しながらも変に尖ったところがない。バランスのとり方が秀逸です。
洗練されながらもどこか親しみを感じるイヴァン・シュヴァリエ。大事な人への贈り物にも良いな、と感じる素敵なチョコレートでした。